シンポジウム

商店街としての銀座を考える 第2回 「都市景観と広告デザイン」

日時 2007年9月10日(月) 14時~16時半
場所

文祥堂イベントホール

出席者

約130名

共催

銀座街づくり会議・全銀座会・銀座通連合会

後援

中央区

プログラム

基調講演:「銀座のドラマトゥルギー 広告は銀座の舞台装置たりうるか」
吉見俊哉(東京大学大学院教授 情報学環長)
報告:「商業地における屋上広告の比較調査」
田代雅明(東京工業大学大学院)
パネルディスカッション:「銀座のにぎわいをつくってきたものは何か」
吉見俊哉/韓亜由美(アーバンアーキテクト)
板野遵三郎(全日本ネオン協会会長)
齋藤充(銀座街づくり会議、全銀座会街づくり委員会)
コーディネーター 小林博人(慶応大学准教授)

概要
都市景観と広告デザイン

基調講演の吉見俊哉さんは、銀座らしさの質を歴史的にたどった後、「広告はそれぞれのクライアントが出すものですが、街というメディアの一部であり、つまりはパブリックなメディアである」ことを指摘しました。
ディスカッションでは、韓亜由美さんが工事中の仮囲いなど、街のなかにある公共スペースを使ったデザインの事例を紹介しました。板野遵三郎さんは、大正7年に初めてネオンを使った例から、現代までの銀座の屋上広告を写真で見せ、銀座の広告はスポンサーにとってのステイタスシンボルであるとお話しくださいました。
「街はメディアである」ということの意味は、街がさまざまな主体が応答しあうコミュニケーションの場であり、無数のやりとりがなされる空間であるということです。屋外広告は、本来の商業的な意味を超えて、街の主役である歩行者とパブリックな応答性をもつことが大事なのではないか。また、銀座だからこそできることがあり、たとえば、広告をアーティストたちの創造の場としたり、銀座中の広告をつかったイベントなどが可能なのではないかという提案もありました。
広告は、商業活動、経済活動の一環であると同時に、メディアであり、街並みを形成する要素です。クリエイターたちの活躍の場でもあります。今後さらに幅広い議論が必要と感じられるシンポジウムでした。