シンポジウム

デザインフォーラム2012「被写体としての<銀座>」

日時 2012年10月30日(火) 15時~17時
場所

銀座フェニックスプラザ(紙パルプ会館2F)

出席者

約100名

主催

銀座街づくり会議+銀座アート・エクステンション・スクール

共催

全銀座会、一般社団法人 銀座通連合会

協賛

一般財団法人 交詢社

協力

銀座フェニックスプラザ

後援

中央区

プログラム

トーク「被写体としての<銀座>」
齋藤利江(写真家)
山本豊津(全銀座会・東京画廊)

概要
デザインフォーラム2012

「銀座フォト」は来年から毎年秋に一ヶ月間、銀座の街全体を美術館と見立て、銀座に数多くあるギャラリーや写真サロンにて写真展やシンポジウムを開催して写真の魅力や多様性を伝えるために発足しました。今回のシンポジウムはそのプレイベントとして写真家の齋藤利江さんをお招きしました。聞き役は山本豊津さんです。これからは写真が真実を映すのではなく、写真に映っていることが真実になる時代だといいます。齋藤さんの写真の一枚一枚に、かつての銀座の真実が映りこんでいました。
齋藤さんは繊維の街、桐生市で生まれ育ち、高校生のころから、東京八重洲口に向かうバスに乗って銀座に通い、銀座の写真を撮り続けました。当時銀座は最先端の街で、自動車、外国人、夜のネオンなど、目に映るものすべてがモダンで魅力的、まるで映画を観ているようだったと齋藤さんは語ります。そのころのカメラのフィルムはとても高価で、被写体を見つけた瞬間、シャッターを押す瞬間、そして家で現像するまでのドキドキした気持ちは、現代では感じられないものだといいます。思い描いたようには撮れていなくてがっかりすることも多かったようで、もう一度トライしなくては!という気持ちも銀座に通う原動力のひとつでした。
十代の頃、数々の写真コンテストで賞を受賞された齋藤さんですが、お父様のご病気により、写真の道を断念します。撮りためたフィルムもお父様に捨てられてしまったと思っていました。60歳の誕生日の日、お父様の遺品の中からかつて撮りためたフィルムが偶然見つかり、そこから齋藤さんは写真家として再出発します。現在は全国各地で写真展を開催するなど精力的に活動されています。
銀座は若い街ではなく成熟した魅力がある街です。これからも写真に撮られて美しい、画になる街になっていかなくてはならないと進行役の竹沢えり子は締めくくりました。