シンポジウム

銀座の街並みを考える 第4回 「どう描く?銀座の将来像 -都市再生とは何だろう」

日時 2004年10月23日(月) 14時~17時
場所

十字屋ホール

プログラム

問題提起:「日本の都市、街、そして銀座がかかえる課題について」
蓑原敬(都市プランナー)
ディスカッション:
大野秀敏(東京大学教授)/大方潤一郎(東京大学教授)
内藤廣(東京大学教授)/中井検裕(東京工業大学教授)
倉田直道(工学院大学教授)/岡本哲志(岡本哲志都市建築研究所)
小林博人(小林・槇デザインワークショップ、慶應義塾大学准教授)

概要

多くの専門家に参加いただいたこのシンポジウムでは、最初に蓑原敬さんより、リチャード・ベンダー教授の「象と犬ぞりの犬の例」が紹介されました。そりが一匹の大きな象に牽かれていると、ひとつの道筋しかたどれず、病気になれば止まってしまう。餌も大変だ。しかし多くの犬に牽かれるそりであれば、一匹が倒れても前に進め、チームを分けて違う道筋を追うこともできる。互いに暖めあい、群を再生産させることもでき、持続性が保障されている。まちも同じ例えで語ることができるのではないか、というものです。 その問題提起を受けて、各先生方からはさまざまな意見がでました。
「銀座は特別な場所。その特別な性質を維持し持続的に発展させることは、日本、世界に対し重要な意味をもつ。脈、歴史を維持するということは建て替えるなということではない。むしろどんどん建て替えながら残すべきDNAを強化していくことが大事。」 「都市が持続するためにはリダンダンシー(冗長性)と多様性が必要。その対極が焼き畑方式。これはグローバルな資本にとっては有効な戦略となるが、銀座のような小さなオーナーがファミリービジネスをしているような街は、それとは全く違う行動原理をつくっていかなくてはならない。」
銀座は大資本と共栄しながら、個々の小さな店ががんばることによって、栄えてきました。これからの銀座は、象にひっぱっていってもらうのか、大勢の犬たちが心を合わせてひっぱってゆくのか、それが問われているのです。